都議会にて開催された非常に有意義な勉強会の内容をまとめました。
墨田区の課題は、区だけで完結するものは少なく、東京都との密接な連携が欠かせません。今回の学びを、日々の活動と墨田区の安心・安全な暮らしにしっかりと還元してまいります!

勉強会記録:東京都政策企画・地方税制および第五建設事務所事業概要
1. 講義のテーマと背景
本勉強会は、東京都が進める政策企画および地方税制の課題と、東京都第五建設事務所による墨田区内のインフラ整備計画の二本柱。
第一部では、2026年1月中旬の総理面会を経て設置が決定した「国と東京都の協議体」を背景に、東京の成長戦略と地方税制における税収問題が扱われました。
第二部では、墨田区・江東区・江戸川区を管轄する第五建設事務所より、令和8年度の事業概要と具体的な道路・橋梁整備計画が報告されました。
2. 講義の主要な柱
① 東京の成長戦略と国との連携
- 政策の整合性: 東京都の「2050年東京戦略」は、現政権が推進するAI、デジタル、スタートアップ支援、強靭化といった成長戦略と非常に高い親和性を持っています 。造船や防衛などの国主導分野を除き、都はすでに独自の戦略を進めており、国との連携強化により政策効果の最大化を目指しています。
- 東京の貢献度: 日本のGDPが世界4位から5位へ転落するとの予測がある中、東京は人口比1割に対し、GDPの2割、国税収入の4割以上を占める経済の中心地です 。成田・羽田のゲートウェイ機能を通じて全国へ利益をもたらしており、「一極集中」の批判に対しても、東京の出生数は増加傾向にあり、ポテンシャルを維持していると主張しています。
② 地方税制の課題と「偏在是正措置」への反論
- 不合理な税制改正: 国は「財政力格差の是非」を名目に、法人事業税や特別区の固定資産税をターゲットとした新たな税収調整を令和9年度以降に計画しています。
- 制度の欠陥: 平成20年度からの累計で東京からは12.6兆円が奪われる形となっており、これは都が2040年代までに行う防災対策費を超える規模です 。都は、税収が増えても地方交付税の仕組みによって自治体の努力が報われない現行制度こそが問題の根幹であると指摘しています。
- 共存共栄の姿勢: DXプラットフォーム「ガブテック東京」を通じた全国自治体への支援など、東京のリソースを全国へ還元し「共存共栄」を図る姿勢を強調しています。
③ 墨田区内のインフラ整備(第五建設事務所)
令和8年度の事務所予算は約286億円。以下の重点項目に投資されます。
| 項目 | 予算額 | 主な内容 |
| 無電柱化を含む整備 | 90億円 | 防災力向上と景観整備 |
| 橋梁整備 | 66億円 | 老朽化対策・耐震補強 |
| 道路補修 | 57億円 | 土手通り、墨堤通り等の打ち替え |
| 街路整備 | 56億円 | 放射32号線(四ツ目通り)の整備等 |
- 街路事業: 放射32号線(四ツ目通り)の押上・京島付近での排水管設置や、曳舟周辺での用地取得を推進しています。
- 路面補修: 土手通りや墨堤通りにおいて、コンクリート舗装からアスファルトへの打ち替え等を実施します。
- 安全対策: 四ツ目通り(錦糸町付近)での歩道・街路灯の集中的整備(ストリートヒューマンファースト事業)を継続します。
■ QA形式・意見交換
【議題:地方税制と都民の危機感】
Q(区議会議員):
東京は叩かれ続けている。都民に「東京は豊かだから多少は仕方ない」と思われないよう、具体的な訴え(ふるさと納税で学校が作れなくなる等)が必要ではないか。
A(東京都・担当者):
「奪われた12.6兆円があれば、もっと地震対策が進んでいたはずだ」といった、分かりやすい視覚的な広報を通じて都民の危機感を醸成していきたいと考えています。
【議題:小原橋(おはらばし)の工事遅延】
Q(区議会議員):
「工事が止まっている」と住民から不安の声がある。進捗と今後の見通しは?
A(第五建設事務所):
川の中の障害物撤去に時間を要しています。次の仕上げ工事が「不調」に終わったため現在設計をやり直しており、再開時には改めて地元へ丁寧に説明します。
【議題:道路安全対策(四ツ目通り・源森橋)】
Q(区議会議員)::
大型車両の巻き込み事故があった交差点の対策は?また、源森橋の横断歩道設置の可能性は?
A(第五建設事務所):
事故現場は警察のソフト面での対応を含め連携を検討します。源森橋の横断歩道は、橋の勾配による見通しの悪さ等から警察より「困難」との回答を得ています。
【議題:用地取得のスケジュール】
Q(井上・区議会議員):
四ツ目通りの用地取得は進んでいるように見受けられる。車道の開放などはいつ頃になるか?
A(第五建設事務所):
取得率は約8割ですが、舗装前に電線共同溝等の埋設物調整が必要です。今年度12月頃に排水管設置を発注し、できるところから先行的に整備を進めます。
💡 要望・指摘事項
- 都民への広報強化: 税制改正により水害シミュレーションのようなインパクトのある視覚資料を使い、都民が「自分たちのサービスが損なわれる」と実感できる説明を求める。
- 地方との連携: 国との協議体を有効に活用し、理不尽な税制改正を阻止してほしい。
- 河川空間の活用: 河川のライトアップだけでなく水上スポーツや賑わい創出など、より積極的な河川利用の検討を期待する。
都議会と区議会の風通しを良くし、墨田区の声を東京都へ、東京都の動きを墨田区へ。これからも全力で取り組んでまいります!
