令和8年度予算を審議する予算特別委員会の初日。会派の議員が行った質疑の内容をご案内します。

1. 財政運営・歳入の戦略的活用(坂井ユカコ 委員)
【R8予算編成の基本認識と財政運営】
Q(坂井委員): 過去最大規模の予算。一時的な上振れ財源を安易に経常経費に充てず、将来の墨田を支える仕組みにどう戦略的に配分するのか。
A(財政担当課長): 上振れ財源を「投資的経費」へ活用し、前年度比49%増とした。また「公共施設整備基金」を約330億円まで積み増し、健全性を確保する。
【特別区債(借金)と財政規律】
Q(坂井委員): 区債が前年比80%増。将来の返済が次世代の行政サービスを圧迫しないための「起債の規律」と「出口戦略」は。
A(財政担当課長): 残高見込みは約260億円で、上限350億円を大幅に下回る。公債負担比率も約3%と健全。将来の負担分担に基づき、適切に活用し続ける。
【固定資産税への影響(税源偏在是正措置)】
Q(坂井委員): 国による固定資産税への介入の動きがある。制度見直しによる影響と歳入基盤の安定確保は。
A(財政担当課長): 固定資産税は財調原資の3分の2を占めており、地方への分配は影響が大きいと懸念。行財政改革を進めつつ、基金や起債を適切に活用し安定運営に努める。
【稼ぐ自治体としての「ふるさと納税」】
Q(坂井委員): 寄付金6.4億円と好調だが競争は激化。安定的な外貨獲得への「次なる一手」は。
A(地域力支援部長): 返礼品の新規開拓に加え、文化芸術経費への充当による「墨田のファン」作りを強化し、寄付につなげる好循環を作る。
【特別区たばこ税の増収分】
Q(坂井委員): 前年比5.1億円の増収の背景と、喫煙者・非喫煙者への還元は。
A(税務課長): 加熱式たばこの本数換算方式の変更(増税)によるもの。適切に予算執行していく。
2. 2035年問題と将来への投資(坂井ユカコ 委員)
【人口動態と施設整備需要】
Q(坂井委員): 2035年以降の急激な人口減少・高齢化社会に備え、来年度は何に取り組むべきか。
A(財政担当課長): 今後の学校改築等の需要に対し、積み増した基金と起債を戦略的に組み合わせ、将来に負担を残さない。
A(政策担当課長): 2035年までに基盤を整える。健康づくり、ファミリー世帯定住、介護人材確保などを重要事業とした。
【宿泊税の見直しと民泊課題】
Q(坂井委員): 都の宿泊税見直し(定率3%・民泊課税)に伴い、民泊課題対応の財源配分を求めるべき。
A(財政担当課長): 都は使途を「周辺環境整備」に使う方針。区の要望が一定反映されたと評価。注視し、不十分な場合は補助を求める。
【区制施行80周年記念事業の投資効果】
Q(坂井委員): 約500万円の記念映像など、単なる祝いで終わらせず、将来の寄付増や定住促進への投資効果を厳格に見極めるべき。
A(政策担当課長): 2035年のあるべき姿を共有する機会にする。歳入増や事業者連携も取り入れる。
A(広報広聴担当課長): プロモーションとして長く使えるものにし、プロポーザルで効果的な提案を選定する。
3. 安心・安全な街づくり(加藤ひろき 委員、あべよしたけ 委員)
【共同親権の施行に伴う職員研修】(加藤委員)
Q(加藤委員): 4月1日施行。現場の混乱を防ぐための職員向け勉強会の実態は。
A(企画経営室参事): 法務専門員を講師に研修を実施。30名超が参加し、実務上の影響やDV実例などの講義を行い、関心の高さが伺えた。
【地籍調査の成果公開と基準点】(加藤委員)
Q(加藤委員): ウェブサイト公開の成果と、今後の基準点再整備の計画は。
A(都市整備部長): ウェブで一筆図等が閲覧可能となり、窓口同等の情報が得られる。基準点再整備は、ズレの多い北部から令和12年度完了を目指す。
【飲料水兼用耐震性貯水槽の導入】(加藤委員)
Q(加藤委員): 給水拠点へ行けない方のため、水道管直結型の貯水槽の検討を。
A(防災課長): 設置場所等の課題もあるため、情報収集しつつ全庁的な合意形成や方針づくりが必要と認識。
【不燃化・耐震化・ブロック塀・飛散防止】(あべ委員)
Q(あべ委員): 資材高騰を踏まえた助成額拡充の検討、およびブロック塀撤去助成、ガラス飛散防止フィルム助成(現上限1.75万円)の引き上げは。
A(不燃・耐震促進課長): 他区の動向や情勢を注視し、安全確保の観点から適切に検討する。
A(防災課長): ガラスフィルムについても他区との均衡を図る必要があり、今後の検討材料とする。
【災害備蓄倉庫の維持管理】(あべ委員)
Q(あべ委員): 発電機や煮炊きレンジ等が有事の際に確実に動くためのチェック体制は。
A(防災課長): 各学校に2台配置しており、適切に管理・保守を行っていく。
4. 地域連携と区政の可視化(あべよしたけ 委員、坂井ユカコ 委員、稲葉かずひろ 委員)
【大学のあるまちづくり(公民学連携)】(あべ委員)
Q(あべ委員): 学生が地域行事へ参加する連携や、「ものづくりフェア」等を通じた協力関係の強化を。
A(公民学連携担当副参事): iUやレイクランド大学との実績を活かし、学生が主体的に関われる機会をさらに創出する。
【期日前投票所と選挙公報の改善】(坂井委員)
Q(坂井委員): 北部の期日前投票所の進捗と、選挙公報の文字を大きくする等の改善は。
A(選挙管理委員会事務局長): 期日前投票所は「梅若橋コミュニティ会館」を中心に調整中。公報も見やすい作成に努める。
【庁舎1階モニターでの議会中継】(稲葉委員)
Q(稲葉委員): 待ち時間を利用して議会に関心を持ってもらうため、1階モニターで放映できないか。
A(広報広聴担当課長): 現状は仕様上難しいが、ネット中継活用や設備改修、リニューアルに伴う設置場所変更も含め、柔軟に協議・検討する。
💡 各委員からの要望・指摘事項
- 坂井委員: 増収分を「単なる消費」ではなく「次世代への投資」や「区民への還元」に充てること。全ての事業に「出口戦略」を持つこと。
- 加藤委員: 共同親権に関し、現場の判断平準化、バックアップ体制、丁寧な周知、DV・虐待ケースへの迅速対応を強く求める。
- あべ委員: ガラス飛散防止フィルム等の助成額は実勢価格に合わせて再計算し、予算が実効性を持つようにすること。備蓄品も確実に機能する運用を。
