
議案第82号 令和8年度墨田区一般会計予算、議案第83号 令和8年度墨田区国民健康保険特別会計予算、議案第84号 令和8年度墨田区介護保険特別会計予算及び議案第85号 令和8年度墨田区後期高齢者医療特別会計予算に賛成の立場から意見を述べます。
令和8年度予算案は、「人がつながり 夢をカタチに すみだの新時代を切り拓く予算」として編成されたものであり、区民生活を取り巻く環境が引き続き大きく変化する中にあって、安全・安心の確保、子育て・教育環境の充実、高齢者福祉の強化、地域力の維持向上、さらには将来を見据えた公共施設整備と持続可能な財政運営の両立を図ろうとする予算であると受け止めています。
一般会計予算規模は1,559億2,600万円で、前年度比9.0%増、特別会計を含む予算総額は過去最大規模となりました。特別区民税や特別区交付金は堅調に推移する一方、物価高騰、公共施設の改築・改修需要、税制改正の影響など、今後の財政運営には不透明な要素もあります。必要な施策には着実に投資しつつ、財政規律を保ち、持続可能な行財政運営を進めることを求めます。
続いて、款別質疑及び総括質疑で論点となった事項について、順次意見を述べます。
1点目は、持続可能な財政運営についてです。
学校改築や公共施設更新など将来需要を見据える中で、起債と基金を戦略的に組み合わせる考え方が示されたことは重要です。区債残高は260億円台、公共施設等整備基金は300億円を超える事が見込まれ、一定の土台が整ってきたとの答弁もありましたが、今後は公債費負担比率なども視野に入れた分かりやすい財政運営が必要です。また、税源偏在是正やふるさと納税を巡る競争激化も踏まえ、歳入基盤の強化を一層進めることを求めます。
2点目は、子ども・子育て支援についてです。
病児保育は、オンライン予約導入後に利用実績が約1.8倍に増加し、北部地域への新設整備費も計上されました。これは保護者の利便性向上に資する取組として評価します。また、保育園入園選考における居住年数合算、いわゆるUターン支援もシステム改修費が予算化されており、定住促進の観点から着実に進めるべきです。加えて、予算案でも学童クラブの定員拡充や私立学童支援が示されています。保育から学童までの切れ目のない支援体制の充実を求めると共に、私立学童の人件費に対する対応も求めます。
3点目は、教育環境の充実についてです。
学校プールの日除け対策は、酷暑から子どもたちを守る現実的かつ必要な対応であり、その効果検証を踏まえた早期展開を求めます。また、学校改築は教育環境の向上だけでなく、防災拠点としての機能確保にも直結する重要事業です。予算案でも八広小学校改築や校庭整備、長寿命化を着実に進める考えが示されました。地域への丁寧な説明と全庁的な体制強化のもとで着実に進めていただく事を求めます。
4点目は、安全・安心のまちづくりについてです。
予算案では、不燃化・耐震化の推進、避難所機能の強化、要配慮者支援、災害復興マニュアル改定などが示されています。特に避難所については、備蓄物資の数量だけでなく、配置や期限管理、取り出しやすさまで含めた実効性確保が重要です。また、4月施行の民泊関連条例の実効性を高めるため、監視指導体制の強化やルールブックによる周知が示されており、区民の安心を最優先に、審査と指導の徹底を求めます。
5点目は、地域力とコミュニティ支援についてです。
町会・自治会の担い手不足が進む中、地域のつながりをどう維持するかは大きな課題です。町会・自治会支援の重要性は明らかで、地域の声を伺い、丁寧に寄り添いながら取組を進める姿勢が大切です。デジタル活用による情報発信や集会所運営の利便性向上を進める一方で、新しい担い手を得る為の伴走支援を行い、地域コミュニティの維持と活性化につなげることを望みます。加えて、まちづくり公社が保有する町会会館については、町会の法人化を推進する区の方針との整合性や、自立を目指す町会との公平性の観点も踏まえ、法人化支援を一層強化し、公社保有会館の整理・返還に向けた流れを着実に前進させることを求めます。区においては、短期的に一律の期限を設けることは難しいとしつつも、法人化のメリットを丁寧に伝えながら働きかけを進める考えが示されており、今後はより具体的な前進を期待します。
6点目は、高齢者・福祉施策についてです。
高齢者が地域で安心して暮らし続けるためには、制度を作るだけでなく、実際に届き、使われる仕組みにすることが重要です。款別質疑では介護人材確保のための宿舎借上げ支援や、障害者基幹相談支援センター機能の強化が示されました。また、シルバー人材センターは高齢者の就業機会確保に重要な役割を担っており、区として業務発注の拡大も含めて支えるべきです。さらに、生活保護についても、個々の事情に応じた適切な自立支援を丁寧に進めることを求めます。
7点目は、産業振興、観光振興、まちづくり、多文化共生についてです。
施政方針では、すみだ五彩の芸術祭を通じた人と人、世代、過去と未来をつなぐまちづくりが示され、暮らし続けたい・働き続けたい・訪れたいまちの実現が重要な柱となっています。住宅取得支援やすみだ良質な集合住宅認定制度の見直し、公園整備などは定住促進の観点から重要です。また、外国人学校児童生徒保護者補助費については、教育機会の均等や多文化共生の視点がある一方で、公平性や制度目的の整理が必要との論点も示されました。社会情勢の変化を踏まえ、制度の検証と整理を丁寧に進めることを求めます。
そのほか、本特別委員会を通じて私たち会派から質疑を行った、未利用公有地の活用、放課後子ども教室の充実、錦糸町・押上・両国・曳舟のまちづくりなどの諸課題については、予算執行に当たり特に意を用いられることを望みます。
なお、日本共産党から提出された令和8年度墨田区一般会計予算の編成替えを求める動議については、私たちと政策の基本的な考え方が異なるため、賛成することはできません。
最後に、山本区長と理事者、職員の皆様に申し上げます。
令和8年度は、新たな基本構想の初年度として極めて重要な一年です。区長におかれましては、明確なビジョンとリーダーシップのもと、必要な施策には着実に投資しつつ、財源確保と財政規律の両立を図り、責任ある区政運営を進めていただくことを求めます。
以上で、墨田区議会自由民主党・無所属の意見開陳を終わります。
