予算特別委員会はいよいよ大詰め、区長をはじめとする全理事者が出席する総括質疑を迎えました。
2日間にわたる総括質疑の初日、わが会派(自由民主党)からは、持続可能な財政戦略から学校改築、発達支援、そして地域コミュニティの維持まで、墨田区の根幹に関わる課題を直接区長に問いました。

💰 1. 持続可能な財政運営と「攻め」の起債戦略
今回の予算案で示された「特別区債80%増」という数字。私はこれを、単なる借金ではなく、次世代への責任ある投資を断行する区の覚悟であると捉えています。
【財政運営のモデル転換】
Q(坂井 ユカコ 委員): これまでの「350億円以内」という硬直的な発行枠を堅持するのではなく、実際の支払い能力を示す「公債費負担比率」などへの指標転換を行い、柔軟かつ着実に事業を遂行すべきではないか。また、「起債6:基金2:一般財源2」といった戦略的な財源投入モデルを構築すべきと考えるが、区の見解を伺う。
A(財政担当課長): 指摘の通り、今後は10年間の施設需要を見越した「財源投入の基本モデル」を構築し、状況に応じて微修正していく手法が財政健全化に資すると考える。起債の目標額についても、単なる総額枠ではなく、公債費負担比率のような指標を用いることで、インフレや需要変化に柔軟に対応していきたい。
A(山本 亨 区長): 今後10年、区民に信頼される財政運営を行うことは非常に重要だ。これから控えている学校改築等の重要な時期に向け、健全な財政と基本計画の指針に基づき、運営を完遂していく決意である。
🏫 2. 学校改築:全庁的な体制強化と地域合意
学校改築は地域コミュニティの核を作る巨大プロジェクトです。教育委員会任せにせず、組織の抜本的強化が必要です。
Q(坂井 ユカコ 委員): スケジュールありきの拙速な進行は将来に禍根を残す。地域への丁寧な合意形成にどう臨むのか。また、技術職の確保が困難な中、営繕部門の集約や組織体制の抜本的強化を図るべきではないか。
A(教育委員会事務局次長): 地域コミュニティの核として、納得いただける機会をしっかり設けた上で、より良い施設整備を目指す。
A(岸川 紀子 副区長): 長期修繕を含め改築を加速させるため、全庁的な体制強化を検討すべき時期に来ている。組織改正も含めた対応を考え、人的・体制的な対応もきちっと行っていく。
👶 3. 「こどもまんなか」と切れ目ない発達支援
「こどもまんなか」の実現には、特性に寄り添った支援環境の厚みが必要です。
Q(坂井 ユカコ 委員): 5歳児健康診査で見つかった課題に対し、診断待機や療育待機の解消、就学後の支援など「受け皿」が機能しなければ保護者の不安は消えない。支援体制をどう整えるのか。
A(副区長): 現在、部門ごとに分かれている体制を、より庁内連携を深化させる方向で検討している。相談場所の必要性を認識しており、基本計画の中で体制整備を進めていきたい。
🏟️ 4. スポーツ環境の充実と「第2体育館」構想
Q(加藤 ひろき 委員): 忍岡高校跡地のスポーツ広場としての活用状況と、総合体育館だけでは足りない区民ニーズに応える「第2体育館」の整備に向けた考えを伺う。
A(区長): 健康増進は極めて重要であり、基本計画にしっかりと位置づけて前へ進める。既存の土地や建物を有効活用する観点で取り組んでいきたい。
🌱 5. ゼロカーボンシティと実効性のある取り組み
Q(加藤 ひろき 委員): 再生可能エネルギー導入にあたり、証書の活用だけでなく、公共施設のLED化や太陽光発電の導入など、自らの活動による削減を並行して進めるべきではないか。
A(環境保全課長): ゼロカーボンには自らの省エネ・創エネが不可欠だ。公共施設のLED化や太陽光設備の導入調査など、庁内連携してしっかり取り組んでいく。
🏘️ 6. 地域コミュニティの課題と民泊対策
【備蓄倉庫の管理】
Q(あべ よしたけ 委員): 防災課と教育委員会の物資が混在する備蓄倉庫の管理責任を明確にし、改築時には十分なスペースを確保すべき。
A(防災課長): 全備蓄倉庫の棚卸しを実施し、教育委員会と協議して整理・対応していく。
【民泊500件申請への対応】
Q(あべ よしたけ 委員): 駆けつけ要件の形骸化や、学校周辺環境への影響が懸念される。事件発生時の区の責任と、警察との連携はどうなっているか。
A(区長): 申請数が多い本区において、警察とも協力し、早期対応ができる体制作りに真剣に取り組んでいく。
【町会会館の自立支援】
Q(坂井 ユカコ 委員): まちづくり公社が保有する町会会館について、自立を目指す町会ほど負担が重い不公平を解消し、法人化・返還を推進すべきだ。
A(区長): 法人化のハードルを乗り越え、前向きに取り組んでいただけるよう、各町会への支援を徹底し事態を前進させていきたい。
💡 自民党としての要望・指摘事項
- 次世代への責任: 健全な財政規律を維持しつつ、学校改築や防災まちづくりを確実に遂行すること。
- 組織体制の強化: 学校改築を滞らせないための、全庁的な人的・組織的抜本強化。
- 安心の構築: 5歳児検診から療育まで、保護者の不安をゼロにする切れ目ない体制の実現。
- 地域医療とコミュニティ: 新医師会館を拠点とした医療体制の強化、および町会運営や商店街振興における公平性の確保。
【私の視点】 総括質疑は、これまでの款別質疑で積み上げてきた課題を、区のトップである区長と直接議論する場です。 特に「財政指標の転換」や「学校改築のための全庁的組織強化」については、前向きな答弁を引き出すことができました。これは、将来の墨田区にとって非常に大きな一歩になると確信しています。
