予算特別委員会の3日目は、予算の中でも非常に大きな割合を占める「民生費(福祉・子育て)」および「衛生費(保健・清掃)」の審議が行われました。
私たちの暮らしの安心に直結する分野であり、わが会派(自由民主党)からも、高齢者支援、子育て環境の改善、そして民泊対策などについて、質疑をおこないました。その詳細をご報告します。

🛡️ 1. 生活支援と高齢者の「活躍・安全」を守る(稲葉 委員、坂井 委員)
【生活保護:外国人受給者の自立支援】(稲葉委員)
Q: 令和8年現在の外国人受給世帯数と、日本人とは異なる障壁(言語・雇用習慣)がある中での「特別な自立支援」の考え方は。
A(生活福祉課長): 令和8年1月末現在、外国人は198世帯(全体は5,859世帯)。人道的観点から日本人と同様の基準を準用している。個々の在留資格や事情に応じ、ケースワーカーを通じて適切な自立助長に努める。
【シルバー人材センター:業務量の拡大】(稲葉委員)
Q: 登録者数が増える一方で受託件数は横ばい。他区のように細かい業務を積極的に「随意契約」で発注し、高齢者の活躍の場を増やすべきではないか。
A(高齢者福祉課長): 登録者は約1,500名超。業務量を伸ばす必要性は認識している。他自治体の事例も参考に、随意契約で増やせる業務を研究・検討していく。
【高齢者の熱中症対策:専門団体との連携】(稲葉委員)
Q: わが会派が要望してきた「柔道整復師会」による暑熱順化(暑さに慣れる体作り)の体操講座。1回限りで終わらせず、継続的に実施すべき。
A(高齢者福祉課長): 提案は非常に有意義。令和8年度は5月21日に「生き生き体操教室」として実施する。アンケート結果を見ながら回数や継続性を検討する。
👂 2. 高齢者福祉の「実効性」を高める(坂井 委員)
坂井委員からは、自身の経験や他区の先進事例を踏まえた、非常に具体的で踏み込んだ提案がなされました。
【補聴器購入費助成:購入後の「適合調整」が鍵】
Q: 助成を受けて購入しても、調整(フィッティング)がうまくいかず使わなくなるケースが多い。品川区のように、専門技能士による調整を条件としたり、購入後の包括的サポートを販売店と連携して構築できないか。
A(高齢者福祉課長): 購入後のサポートはまだ手がついていない部分。今後、実効性を高めるために検討したい。
【見守りICT機器:子世代への「攻めの広報」】
Q: 孤独死を防ぐため、実際に動くのは区外に住む「子世代」だ。SNS広告やふるさと納税メニューへの追加など、子世代にピンポイントで届く広報と、代理申請の簡略化を求める。
A(高齢者福祉課長): 発見の遅れゼロを目指すべき事業。デジタル広報のほか、口コミ・アナログの浸透も重視する。民間サービスの情報提供も含め、最終目標である「孤独死ゼロ」に向けて検討する。
【シルバーパス助成:1,000円での「窓口減免」を!】
Q: 一度全額を払い後で申請する「償還払い」は高齢者の負担が大きい。バス協会等と交渉し、窓口で最初から1,000円で決済できる「代理受領方式」を導入すべき。
A(福祉部長): 事業を有効にするための重要な提案。窓口で1,000円で購入できるシステムがどう可能か、東京都やバス協会にしっかり要望を伝えていく。
👶 3. 「こどもまんなか」を形にする(稲葉 委員、加藤 委員、あべ 委員、坂井 委員)
子育て支援については、これまでの要望が形になりつつある「Uターン支援」や、新たな視点での教育・支援策が議論されました。
🏡 定住促進と利便性の向上
- 保育園のUターン優遇(居住年数合算): 坂井委員らが提案してきた、区内出身者が戻ってきた際に選考を優遇する制度。令和9年5月入園からの実施に向けてシステム改修が始まります。(子ども施設課長)
- 病児保育の北部新設: オンライン予約導入で利用が1.8倍に。待望の北部拠点(旧向島保健センター跡地)の整備費が予算計上されました。(子育て支援課長)
🛡️ 不適切保育の防止とシッター支援(加藤委員)
- 包括的性教育の導入: 5歳児を対象に「自分の体を大切にする(境界線)」を教える人権教育。これが不適切保育を防ぐ基盤となります。(指導検査課長)
- ベビーシッター利用支援: 利用実績は増えているが、全額立替の「償還払い」が家計を圧迫。支払方法の改善(受領委任払い等)や、交通費・入会金への補助拡大を検討すべき。
🎢 体験格差の是正(あべ委員)
- ハロカルホリデー: 電子ポイントによる体験活動支援。定員を3,500名に拡充。
- こどもワクワクフェスティバル: 令和8年5月31日に開催決定。千葉大学等と連携し、1万2,000人の来場を想定。
⚠️ 学童クラブの待機児童問題(あべ委員)
- 待機児童の増加: 定員を増やしたものの、希望者増と地域的偏在で待機児が増加。第一寺島小分室では安全基準の関係で定員が削減されました。空き定員の斡旋など、柔軟な対応を強く求めます。(子育て政策課長)
🏠 4. 安全な住環境と人材確保(坂井 委員)
【民泊対策:新旧ルールの視覚的判別】
Q: 4月の新条例施行前に「駆け込み申請」が急増。新旧ルールが混在する中、住民が通報を躊躇しないよう、標識の色を変えるなど、どのルールで運営されているか一目でわかる仕組みを。
A(保健衛生部次長): 標識の色を変えるなど、区別がつく方法を検討中。墨田区版ルールブックでも周知を徹底する。
【介護人材確保:宿舎借り上げ支援の拡大】
Q: 地域密着型サービス事業者への宿舎借り上げ支援。補助率1/2は経営的に重い。災害時協力協定など、小規模事業者でも手が届く条件で補助率を上乗せすべき。
A(介護保険課長): まずは現行スキームで開始し、応募状況を見ながら、防災関係との切り離しも含め柔軟に支援内容を見直していく。
💡 自由民主党の「提言」とまとめ
- 実効性の追求: 補聴器の調整や、シルバーパスの窓口減免など、「制度がある」だけで終わらせない。
- ターゲットの明確化: 見守りICT機器の子世代向け広報など、誰に情報を届けるべきかを精査する。
- スピード感: Uターン優遇や5歳児検診の早期実現など、区民が待ち望む施策を1日でも早く形にする。
【最終要望・指摘事項】
- 稲葉委員: 生活保護の自立支援における外国人特有の障壁打破、シルバー人材センターへの積極的な随意契約発注。
- 加藤委員: ベビーシッター支援のキャッシュフロー改善(支払方法の変更)。
- あべ委員: 学童クラブの定員削減に伴う丁寧な説明と、実態に即した待機児童解消。
- 坂井委員: 民泊新旧ルールの視覚的判別、5歳児検診の医師会との最終調整加速。
予算審議は明日も続きます。引き続き、ご注目ください!
