墨田区議会自由民主党議員団として、民泊対策のトップランナーである京都市へ行政視察に伺いました。
京都市は2016年の「闇民泊」が横行していた時代から、市民生活を最優先に掲げ、独自の「上乗せ条例」と強力な執行体制を築き上げてきた自治体です。
現地で伺ったお話は、正直に申し上げて「墨田区は10年遅れている」と痛感せざるを得ないほど、緻密で実効性のあるものでした。

京都市の圧倒的な現場対応力
京都市の取り組みで最も衝撃を受けたのは、その徹底した監視・対応システムです。
- 迅速な通報窓口: 様々なトラブルに対し、即座に反応・対応できる体制が整備されています。
- 専門チームによる「宿泊者への直接調査」: 違法営業が疑われる場合、担当者が朝のチェックアウト時を狙って現地へ赴き、宿泊者に英語や中国語で直接ヒアリングを行います。
- 厳正な行政処分: 通報に対し、営業中止を含めた強力な指導を実施。過去には「営業停止命令」という旅館業法に基づく処分も辞さない姿勢を貫いています。
京都市の担当者がおっしゃった「お泊まりになられているお客様を捕まえれば、大体の実態は明らかになる」という言葉には、現場を熟知したプロとしての重みがありました。
墨田区に足りないもの、そして目指すべき姿
今回の視察を通じて、墨田区が来年4月の施行に向けて整えるべき「仕組み」の課題が明確になりました。
- 「実効性あるルール」の策定: 条例という骨組みを動かすための「規則」や「要綱」を一日も早く策定し、京都市のような実効性を持たせる必要があります。
- 監視体制の抜本的強化: 環境衛生監視員の増員や、夜間・早朝を含めた機動的なパトロール体制を、全庁・関係機関と連携して構築しなければなりません。
- 情報収集の精度の向上: 大手サイトだけでなく、海外の独自サイトに掲載される「隠れた違法民泊」をどう捕捉するか。現場での聞き取りを含めた、泥臭い調査能力の向上が不可欠です。
対話と合意形成の先に
私は以前の記事でも申し上げた通り、一方的な考えを訴えるだけでは政策は実現できないと考えています。
今回の視察では、京都市が事業者に対しても「質の高い宿泊環境」を求めることで、結果的に観光都市としてのブランド価値を守っている姿も学びました。
- 区民の皆様の「平穏な生活」を守ること
- ルールを守る事業者が「適正に運営」できる環境を整えること
この二つを両立させるためには、京都市のような「逃げ隠れさせない厳格な仕組み」を墨田区の土壌に合わせて構築していく必要があります。
視察を「報告」で終わらせない:これからの取り組み
今回の京都市視察で得た知見は、墨田区の条例に付した「付帯決議」を具体化するための大きな武器になります。
「10年遅れている」という現状を真摯に受け止め、令和8年4月1日の施行時には、京都市に引けを取らない「住民が安心できる仕組み」を墨田区に実装できるよう、私は全力で取り組んでまいります。
視察は、行って終わりではありません。
引き続き、皆様の現場での困りごとやご意見をお寄せください。その一つひとつが、墨田区の新しい仕組みをより強固なものにします。
