誰かのためになるのか?自問自答の末に
区民生活に深く関わる重要な「民泊条例」が、大きな節目を迎えました。12月10日の本会議にて、旅館業法改正および住宅宿泊事業(民泊)の適正運営に関する2議案が、全会一致をもって可決されました。施行日は令和8年4月1日です。
この条例の議論を通じて、区民の皆様、そして事業者の皆様の多くのご意見を直接頂戴しました。その中で、「この条例を作る・改正することで、本当に誰かのためになるのか」という点を、常に自問自答しながら検討を進めてきました。
私の考えを強く訴えることはできるかもしれませんが、それだけでは誰も耳を傾けてくれないですし、更には、区民生活の安心・安全を守るということを実現することはできないのではないかと大変悩みました。
政策実現の鍵:丁寧な合意形成
今回の条例制定・改正のプロセスを通じて、私は多くの皆様との対話の重要性、そして丁寧な合意形成の不可欠さを改めて深く学びました。
区民の皆様には「生活環境の不安」があり、事業者の方々には「ビジネスの持続可能性」という側面もあります。どちらか一方の意見だけを反映させることは、墨田区だけでできることにも限りがあり、なかなか真の解決につながるのかどうか自問自答をしていました。
その中で付帯決議という形で、施行後の継続的な検証と改善を区に約束させるに至ったのも、この合意形成の努力があったからです。私は今後も、感情論に流されることなく、皆様との冷静な議論を通じて、実効性のある政策となるように邁進する所存です。
付帯決議に込めた私の考え
付帯決議とは、行政に対して意見を申し添えることになります。
政治的メッセージとしては、相当強力なものとなります。
今回の付帯決議の内容は、みなさんのご意見を伺い、ベストに近づけるための内容になったと考えています。
全会一致での可決を実現した付帯決議は、区民の皆様が安心して暮らせる環境を確保するための、区に対する明確な要求です。特に、施行後の「継続的な検証と改善」を強く求めた点が、この条例の真価を問うものだと私は考えています。
付帯決議の具体的な内容は以下の通りです。
🔹 議案第33号 旅館業法施行条例の一部を改正する条例
区は、管理者不在型の旅館・簡易宿所の運営実態について、以下の取り組みを毎年度行うことを意見として付しました。
- 毎年度の調査・検証と議会報告: 運営実態、苦情内容、行政処分等の内容及び件数を調査し、その結果を議会に報告すること。
- 必要に応じた条例見直し: 検証結果に基づき、必要に応じて条例の見直しを実施すること。
🔸 議案第34号 墨田区住宅宿泊事業の適正な運営に関する条例
区は、住宅宿泊事業の適正運営を担保するため、以下の4つの事項を適切に取り組むことが求められます。
- 早期のルール明確化と指導手順の明確化:
- 必要な規則や実施要綱等を一日も早く策定し、その周知徹底を図ること。
- 特に、業務改善命令や業務停止命令といった不利益処分を行う際の手順を明確にすること
- (私の考え: 厳格な指導を行うための法的手続きの透明性は必須です)。
- 実効性のある監視体制の強化:
- 不適切な事業者を取り締まるため、環境衛生監視員の増員や機動的なパトロールを実施すること。
- 区庁内、関係機関と連携した監視体制の強化を求めます
- (私の考え: 条例があっても取り締まれなければ意味がありません。実働部隊の強化は最優先です)。
- 終日稼働の相談・通報窓口の設置:
- 区民等が深夜でも相談・通報できる終日稼働の窓口を速やかに設置し、連絡先を周知徹底すること
- (私の考え: 苦情は時間を選びません。区民の不安に即座に対応できる体制が不可欠です)。
- 毎年度の検証と条例の見直し:
- 毎年度、事業の運営実態や苦情内容、行政処分等の件数を調査・検証し、その結果を議会に報告するとともに、必要に応じて条例を見直すこと。
- (私の考え: 状況分析を細かく実施し、次の条例見直しに向けたエビデンス収集を徹底的に行うことが安心、安全、また優良事業者が健全に運営できることにつながります。)
結論:これからが本当の「仕組みづくり」
今回の条例可決と付帯決議の採択は、区議会としての最低限の責任を果たしたに過ぎません。
この付帯決議を通じて、私は区に対して、「取締の強化」と「つぶさに情報を拾い上げ、条例の見直しを含めて毎年度検証すること」を課しました。
施行日の令和8年4月1日に向けて、ルールの整備と監視体制の構築が急がれます。そして、施行後も、区民の皆様の生活環境が守られているか、事業が適正に運営されているかを、区議として厳しくチェックし続けます。
これで終わりではありません。これからが、この条例を実効性のあるものとするための、本当の「仕組みづくり」の始まりです。
引き続き、皆様からの現場の声、厳しいご意見、ご要望をいただけますと幸いです。私は、皆様からいただく声を力に変え、地域に根差した安心できる墨田区の実現に向けて、今後も邁進してまいります。
