「5歳児健康相談の拡充」と「児童相談体制の強化」について、気候変動や社会状況の変化が子どもたちの成長環境に大きな影響を与える中で、早期発見・早期支援の取り組みは待ったなしの課題です。

5歳児健康相談の現状と課題
5歳児健康相談は、発達障害を含む心身の発達課題を早期に発見し、必要な支援へとつなげるための中核施策です。令和7年5月の開始から一定の運営実績が蓄積してきた今こそ、現状を検証し、改善を重ねて次の段階に進める必要があります。
特に注目したのは以下の点です。
- 回答率の向上
当初の保護者アンケート回答率は約6割にとどまっていました。再通知やフォローで改善したのか、直近の回答率や効果の高かった手段、未回答の理由分析を明らかにすることが求められます。 - 受診・相談の受け皿整備
相談希望者が円滑にすみだ保健子育て総合センターの多職種面接につながっているのか。参加者数、定員の充足状況、待機日数を可視化し、ボトルネックを特定・解消する必要があります。 - 保護者への伴走支援
評価結果をわかりやすく伝え、家庭でできる実践ポイントを提示すること。さらに個別支援計画を家庭と合意形成し、家庭訪問を標準化することが不可欠です。 - 就学への橋渡し
支援内容が就学時健診や教育支援計画に確実に反映される仕組みを整える必要があります。
関係機関連携の強化
早期発見後の支援体制を確立するには、保健・教育・福祉・医療の連携が不可欠です。特に「初診待機」「療育待機」という構造的な課題を、都・医師会・大学病院と共有し、専門医確保と療育の受け皿拡充を急ぐ必要があります。
また、データを定期的に集計し、PDCAサイクルを確実に回す体制をつくることが、持続的な改善につながります。
児童相談体制の現状と課題
墨田区では、すみだ保健子育て総合センター内に江東児童相談所のサテライトが開設され、さらに社会福祉法人賛育会による「赤ちゃんのいのちを守るプロジェクト」への対応として、都児童相談所職員による24時間対応が始まるなど、前進が見られます。
しかし、虐待通告への即応と継続支援の負荷は依然として高く、区民に最も近い場所で機動的に動ける専門体制が必要です。
昨年11月には「区単独の設置を目指すのではなく、都児相との協働で子どもの最善の利益を追求する」との基本方針が示されましたが、直近6月には「都児相の区内開設も視野に具体的協議を進める」との前向きな答弁がありました。
今後求められるのは以下の4点です。
- 区内開設の実現性評価と段階的ロードマップ
- 開設前からの共同運用手順の確立
- 学校・園・医療・地域をつなぐ標準的な連携体制
- 夜間・休日・災害時の即応体制
子どもにとって最善の利益を
子どもたちが安心して成長できる環境を整えるためには、行政と現場が一体となった取り組みが欠かせません。5歳児健康相談を軸とした早期支援と、強化された児童相談体制の両輪で、墨田区に暮らす子どもたちを守っていきたいと考えています。
引き続き議会の場を通じて提案と改善を重ね、現場の声を政策へと反映してまいります。
