先日、有志で江東児童相談所を視察しました。区内に児童相談所のサテライトオフィスが開設されたことを受け、改めて児童相談所の役割や現場の実情を学ぶ貴重な機会となりました。

サテライト設置の意義
これまで墨田区の児童相談は江東区の児童相談所が担当してきました。しかし、区民が江東区(枝川)まで足を運ぶのは決して容易ではなく、相談をためらう要因の一つでもありました。
サテライトオフィスが開設されたことで、身近な場所で相談や面接を受けられるようになり、利用者からも「助かる」「安心できる」との声が寄せられているとのことです。
相談件数の現状
視察では統計資料も示していただきました。
- 江東児童相談所の相談件数は年々増加傾向にあり、直近では2,200件を超えています。
- 通告の経路で最も多いのは警察からで、全体の4割超。夫婦間のDVを子どもが目撃するケースなど、心理的虐待が大きな割合を占めています。
- 心理的虐待は全体の6割以上を占め、従来の身体的虐待以上に課題の大きい分野となっていることが分かりました。
一時保護の課題
一時保護についても説明を受けました。
- 令和5年度、一時保護の7割は虐待や非行に関するものでした。
- 本来は2か月以内に次の受け皿を見つけることが原則ですが、養護施設や里親の受け入れが逼迫しており、平均滞在期間が延びてしまうケースも。
- 東京都全体でも、家庭的養護(グループホームやファミリーホーム)の拡充が進められています。
関係機関との連携
児童相談所は単独で動くのではなく、学校、保育園、医療機関、警察、自治体などと連携し、48時間以内の安全確認や支援方針の協議を行っています。
「要保護児童対策地域協議会」という枠組みを通じ、個人情報保護に配慮しながらも、必要な情報共有と支援の一体化を図っていることが印象的でした。
現場で感じたこと
今回の視察を通じて、児童相談所の役割の重さと現場の負担の大きさを改めて実感しました。日々増え続ける相談件数に対応しながら、的確な判断と素早い対応が求められています。
一方で、虐待が疑われても「該当せず」となるケースも少なくなく、判断の難しさや職員の葛藤も強く伝わってきました。
墨田区に必要な視点
墨田区としても、
- サテライトの活用をさらに広げること
- 区の福祉部門や教育機関との連携を密にすること
- 子どもと家庭を支える体制を日常的に整えること
が求められます。
区議会としても、現場で働く方々の声に耳を傾け、制度や仕組みをどう整えていくか、今後も議論を深めていきたいと考えています。
今回の視察は、子どもたちの安全と未来を守るために、私たち議員が何をすべきかを改めて問い直す機会となりました。日々現場で尽力されている職員の皆さまに心から感謝するとともに、墨田区としてできることをしっかりと形にしていきたいと思います。
