厚生労働省研究班の2024年度調査において、市販薬を過去1年以内に乱用目的で使った経験がある中学生は1.8%(約55人に1人)と初めて推定され、若者の市販薬によるオーバードーズ(OD)が広がっているとの報道がありました。
その背景には、孤立、生きづらさ、自己肯定感の低さ、居場所の欠如といった社会構造的な課題があるように思います。
特に今、若者支援の取り組みとして墨田区だからこそ、できることがあると感じています。
若者のオーバードーズの現状と背景
- 薬物の多様化と低年齢化が進む
墨田区の令和7年度 青少年対策基本方針にも、「オーバードーズ(市販薬の過剰摂取)が広がるなど、薬物乱用の多様化、低年齢化が憂慮されている」と明記されています。 - ゲートキーパーとしての薬剤師の重要性
市販薬の入手先である薬局、ドラッグストア等において、販売現場で販売者が「ODの可能性」に気づくことが支援や予防につながるとの指摘があります。 - 教育連携
学校等での薬物乱用防止講座を開始。若者のODが社会問題として認識されつつあります。
墨田区の若者支援施策と居場所づくり
墨田区では、若者の社会的自立や自己肯定感を支える多様な施策を検討・推進しています。
- 若者計画における基本方針
令和7年度の墨田区子ども計画の中にある若者計画では、「自己肯定感を高めることができる場所や機会」を得られることで「全ての若者が社会的自立を 果たすことができている」を目指す将来像と位置づけています。 - “すみだみんなのカフェ”などの居場所
ひきこもり傾向のある若者やその家族のための居場所「すみだみんなのカフェ」は、毎月のミニ講座やグループワークを通じ、安心して話せる場を提供しています。 - 就職・仕事カウンセリングルーム
区役所に設置された相談窓口では、キャリアやメンタルケア相談などを行い、若者の社会参加を支えています。 - 専門相談・デイケアの機会
東京都立精神保健福祉センターでは、こころや生活に関する相談、グループ活動などを通じて、自信回復や生活リズムの再構築をサポートしています。

今後の取り組みとして
- 地域の若者を支える社会をつくりたい
ODは「逃避」の一つとして起こることもあります。非難ではなく、「助けてもよい」社会の一員であってほしい。 - 既存の施策とのシナジーを強化したい
区や都の制度、居場所、相談窓口があります。それぞれが連携を強化する取り組みが必要です。 - 声にならない叫びに、耳を傾けてほしい
若者の苦しみは形に見えないからこそ、社会が気づき、寄り添うことが求められます。
若者が「生きづらさ」から脱却し、「ここにいていいんだ」と感じられる社会となるように、取り組んでいきます。
