「校則と児童生徒指導を考える議員連盟」が主催する研修に参加し、大阪府泉大津市立小津(おづ)中学校の取り組みを視察してきました。
「ここは本当に公立中学校なのか?」と驚くような革新的な取り組みの数々。生徒の自主性と主体性に全振りした、これからの公教育のあり方を提示する素晴らしい現場でした。その内容をレポートします。

🧭 学校の「コンパス」を作るのは、校長ではなく生徒
小津中学校で最も象徴的なのが、「学校のコンパス」と呼ばれる最上位の指標です。通常、学校の運営方針は校長や教育委員会が決めるものですが、ここでは違います。
- 生徒がプレゼンする学校方針: 4月1日、生徒たちが先生たちに向けて「今年度の学校運営方針」をプレゼンします。
- ビジョンは生徒、カリキュラムは先生: 生徒が掲げたビジョンに基づき、先生たちがそれを実現するためのカリキュラムを組む「共創カリキュラム」を実践しています。
これは形式的なスローガンではなく、学校のあらゆる活動の根幹となる文字通りの「コンパス」として機能しています。
🏎️ ハンドルは生徒、先生は助手席に
校則の見直しやプロジェクト運営において、小津中学校が徹底している哲学があります。
車のハンドルを握るのは生徒。先生は絶対にハンドルを握らず、助手席で見守る。
- ルールメイキング・プロジェクト: 生徒が主体となって校則を変えていく取り組みです。例えば標準服も、ユニクロのラインナップから色を自由に選べるようになるなど、自分たちでルールをアップデートしています。
- 63個の共創プロジェクト: 「総合的な学習の時間」のうち半分(50時間)を、学年を超えた「共創プロジェクト」に充てています。木曜午後の90分を基本に、放課後や土日も使って生徒たちが自由に動いています。
📈 「学力」は落ちない。むしろ「違う力」が育っている
これだけ自由な活動に時間を割くと、学力の低下を心配する声も上がりそうですが、事実は逆でした。
- 学力の維持: 従来の学力指標は落ちておらず、むしろ主体的に学ぶ姿勢が定着しています。
- 表現力の飛躍: 「中学生の主張 大阪府大会」では、2年連続で1位・2位・4位を小津中学校の生徒という驚異的な結果を残しています。
自分たちで考え、伝え、動く。そのプロセスを通じて、これからの社会で最も必要とされる「生きる力」が確実に育まれています。
💻 先生の働き方改革と環境整備
生徒の主体性を支えるためには、先生たちの環境も重要です。
- 職員室のフリーアドレス化: 先生たちのコミュニケーションを活性化し、柔軟な発想を生む土壌を作っています。
- 超過勤務の削減: 総授業数を本来の85%に抑えるなどの工夫により、一人あたり月15時間の超過勤務削減を実現。先生に余裕があるからこそ、生徒のプロジェクトを助手席で見守る時間が生まれます。
💡 視察を終えて

小津中学校は昨年、保護者向けの「コンパス」作りもおこない、生徒が作成した「学校のコンパス」実現のために、全員が取り組む姿勢が作られました。。
「みんなが安心、みんなで創る、あなたが輝く学校」
このビジョンに向かって、学校・生徒・地域が一体となって突き進む姿に、墨田区の教育施策に活かせる多くのヒントをいただきました。学力一軸の進路選びから、多様な個性が輝く教育へ。今回の学びをしっかりと区政に繋げてまいります。
