「政治Lab.ミライ+」主催の研修会に参加し、ふるさと納税寄附額で全国トップを走り続ける大阪府泉佐野市の事例を学んできました。
墨田区も23区内では納税額上位に位置していますが、泉佐野市の攻めの姿勢には、さらに上を目指すためのヒントが凝縮されていました。研修で得たことをレポートします。

📉 どん底からの復活:泉佐野市が挑む理由
驚くべきことに、泉佐野市はかつて財政危機の淵にありました。
- かつての姿: 13年前までは「財政健全化団体」。現在も約900億円の借金を抱えています。
- 逆転の発想: アイデアを武器にふるさと納税に挑み、財政再建の柱へと育て上げました 。
現在、全国のふるさと納税市場は約1.3兆円(令和6年度見込み)。住民税の市場規模2.6兆円に対し、すでに約半分が活用されている計算です。しかし、利用者は全体の2割に過ぎず、現状は「高額納税者が積極的に活用している」という構図が見えてきます。
🚀 革新的モデル「ふるさと納税3.0」
2019年の制度改正により「地場産品に限る」「返礼割合3割以内」という厳しいルールが設けられました 。そこで泉佐野市が生み出したのが、地場産品を「作る」ところから支援するハイブリッドモデルです。
地場産品創出支援・中小企業者支援補助金
- 破格の条件: 補助上限なし、補助率最大10/10(全額補助) 。
- 市の手出しゼロ: 補助金の原資は、そのプロジェクトを応援したい寄附者からの寄附金。市の一般財源は1円も使いません 。
- 多様な参画: 工場の新築や機器の更新など、多種多様な業種が参画可能です 。
💡 実務的な課題とリスクへの備え
工場を建ててもすぐに返礼品は送れません。もし事業が失敗しリターンが困難になった場合はどうなるのか、機器の更新による見た目の変化を消費者はどう捉えるのか。こうした「還元(モノ)」と「応援(コト)」のバランスが、今後の成否を分けるポイントとなります。
📱 27のポータルサイトを職員自ら運営
多くの自治体が代行業者に頼る中、泉佐野市は驚異の「職員直営」スタイルを貫いています。
- 27サイトへの掲載: 主要ポータルサイトを網羅 。
- 画像戦略: サイトごとに利用者の属性が異なるため、掲載する画像も一つひとつ最適化しています。
- スピード感: 現場の職員が直接対応することで、市場の変化に即座に反応できる体制を整えています。
🥩 人気商品のトレンド変化
返礼品のラインナップも、時代のニーズに合わせて進化しています。
- 定番から日常へ: 以前は「肉・米・カニ」が三種の神器でしたが、最近は物価高を反映し、トイレットペーパーや洗剤などの「日常使いの消耗品」が伸びています。
- 構成比: 肉と魚介で全体の半分を占めますが、地場産業である「泉州タオル」も8%(約18億円)と大きな柱になっています。
- 新たな目玉: 人気クラフトビール「よなよなエール」の醸造所誘致など、新たな地場産品づくりにも余念がありません。
📝 墨田区へのフィードバック
今回の研修を通じて強く感じたのは、ふるさと納税を単なる「寄附金集め」ではなく、「産業政策」として捉える視点の重要性です。
墨田区には世界に誇る「ものづくり」の技術があります。泉佐野市の「3.0モデル」のように、新しい製品開発を寄附金で後押しし、それを返礼品として全国へ届ける。この好循環をさらに加速させることで、区の魅力を発信しながら地域経済を強くしていく大きな可能性を感じました。
「稼ぐ」ことで、区民の皆様へのサービスをさらに充実させる。泉佐野市の情熱を墨田区の力に変えてまいります!
