弘前視察の2日目は、産業振興がテーマです。弘前市がどのように地域資源を活かし、新しいビジネスを育てているのか。特に注目したのは、日本一の生産量を誇る「リンゴ」を起点としたスタートアップ支援です。

🍎 廃棄物を価値に変える「アップサイクル」の挑戦
視察の目玉は、令和4年に設立された「株式会社appcycle」の取り組みでした。同社は、リンゴの加工過程で大量に出る「搾りかす(残渣)」を原料に、合成皮革「リンゴテックス(Ringo-Tex)」を開発しました。
Q(墨田区・議員): このような成功事例が出るまでに、市はどのような「仲介役」を果たしたのでしょうか?
A(弘前市・担当者): 設立当初から、残渣が出る農家や企業の紹介、補助金や専門家の派遣を行ってきました。また、海外市場への参入調査やマーケティング支援も継続しています。この事例が、地元の学生にとっても「弘前で面白いビジネスができる」というロールモデルになっています。
🤝 伝統工芸「津軽塗」との融合、そして世界へ
リンゴテックスは単なる新素材に留まりません。弘前伝統の「津軽塗」を施した製品開発や、弘前市内のEVバスの座席シートへの採用など、多角的な展開が進んでいます。さらには九州大学と連携し、インドネシアの学生とデザインを行う国際プロジェクトまで動いています。
墨田区も「ものづくりの街」ですが、弘前市の事例は、伝統的な資源(リンゴや工芸)と、スタートアップ(環境配慮やDX)を掛け合わせている点が特徴的と感じました。単なる「起業支援」ではなく「地域課題の解決」をビジネスの核に据えているところが、成功の秘訣だと感じました。
🎓 大学との連携が生む「地域ファンド」の力
弘前市では、弘前商工会議所や弘前大学など12の機関が連携する「創業支援体制」が構築されています。
- 地域ファンドの設立: 弘前大学や地元銀行と共同で、創業初期の企業を支える資金提供体制を整備。
- DX支援: 令和7年度からは、創業者のデジタル技術活用を支援する独自の補助金も開始。
【視察を終えて】 弘前市のスタートアップ支援は、単に「数を増やす」段階から、「地域を良くする質の高い企業を育てる」フェーズへと移行していました。
「リンゴのゴミを宝に変える」という具体的な課題解決のストーリーは、墨田区の地場産業の振興(例えば、皮革産業やニット産業など)においても、大きな刺激となるものです。今回の学びを、墨田区の次世代産業の育成にしっかりと繋げてまいります!

