主な議論まとめ
墨田区議会において、教育関連事業のうち 防犯・学用品・給食・ICT環境 に関する項目について質疑を行いました。
本記事では、質問・答弁・要望を整理し、今後の課題や展望を分かりやすくまとめています。
🟩 防犯ブザー配布経費
▶ 質疑概要
Q: 区内の小学校で、防犯ブザーが作動しなかった事例があった。
配布して終わりではなく、定期的な点検や使い方指導を学校で実施すべきではないか。
特に防災訓練などに組み込む形を検討できないか。
A: 教育委員会としても、防犯ブザーが確実に鳴ることの担保は極めて重要と認識。
これまでは家庭での確認を促していたが、学校での確認・指導も有効。
ただし全員で鳴らすと大音量となるため、音楽室など限定的な場所での実施も含め検討したい。
指摘: 「配布して終わり」ではなく、点検・使い方の定期指導の体制化を。
要望: 防災・防犯訓練に組み込み、児童の安全教育として位置づけてほしい。
答弁側の対応方針:
学校内での作動確認・指導の実施を検討。音楽室などの活用案も含め、学校現場へ周知する方向。
🟩 学校管理費(学用品費の共有化)
▶ 質疑概要
Q: 彫刻刀や算数セットなど、学校備品化の検討状況はどうか。
教育費無償化の流れだけでなく、保護者負担軽減・通学荷物軽減・資源削減にも寄与すると考える。
A: 文部科学省から通知があり、保護者購入品を学校備品化する事例が紹介されている。
対象として彫刻刀・算数セット・裁縫セットが挙げられており、
すでに彫刻刀は備品化済み。
算数セットについても、運用面を検討し備品化可能と判断、整備に向けて調整中。
要望: 算数セットの早期備品化を実現し、保護者負担軽減を加速してほしい。
答弁側の状況: 彫刻刀は備品化済み。算数セットも備品化に向け検討進行中。
🟩 学校給食用経費(友好都市の食材活用)
(P186/P193・2番)
▶ 質疑概要
Q: 昨年度実施した「友好都市食材を使った給食事業」の内容は。
A: 長野県小布施町のりんご(サンふじ・シナノゴールド)を使い、墨田中学校で給食交流を実施。
小布施町の歴史・地理を学びながら、地域理解と食育を深める機会を提供した。
Q: 今後、北海道芽室町など他都市との連携は。
A: 芽室町とのオンライン協議を進めており、じゃがいもを活用した給食交流を検討中。
生産者の思いを映像で紹介するなど、「顔の見える給食」を構想している。
Q: 来年度に向けた進捗は。
A: 複数校を候補に、栄養士・学校現場と協議中。
実現に向けたスケジュールを検討している。
要望: 交流を単発で終わらせず、継続的なプログラム化を。
将来的には全校で友好都市の食材を学ぶ給食が実施できるようにしてほしい。
答弁側の状況: 小布施町との交流を実施済み。芽室町との給食交流を来年度実現に向け調整中。
🟩 学校ネットワークシステム運用経費(コンピューター室のあり方)
▶ 質疑概要
Q: 一人一台タブレット(iPad)環境が整っている中で、
約5,150万円をかけて維持しているコンピューター室の意義をどう考えるか。
A: 文部科学省の通知に基づき、
「1人1台端末環境下でも、プログラミングや発展的学習のための高性能端末設置は有効」とされている。
中学校では、技術科でノートパソコンが主教材となっており、
社会に出た際に必要なキーボード操作スキル習得の観点からも有効。
また、高校での「情報Ⅰ」授業への円滑な移行も意識している。
Q: 国の通知を踏まえるだけでなく、より有効な活用策を検討すべきでは。
A: 技術科の教材適性を重視し、ノートパソコンを維持。
教育効果と社会実装力の両立を図るため、引き続き最適な形での活用を検討。
指摘: タブレット普及環境下で、コンピューター室維持費用の妥当性を再検証すべき。
要望: 有効活用を含めたコスト・教育効果の見直しを。
答弁側の状況: 技術科授業・高校情報教育対応のため、高性能端末維持を継続する方針。
🟩 まとめ:教育環境の「質」を問う4つの論点
| 論点 | 主眼 | 今後の方向性 |
|---|---|---|
| 防犯ブザー | 配布後の安全確認・教育 | 学校内での定期点検・使い方指導を検討 |
| 学用品備品化 | 負担軽減・資源循環 | 算数セット備品化を推進 |
| 給食×交流 | 地域理解と食育 | 友好都市との給食交流を継続・拡大 |
| ICT教育 | タブレットとPCの共存 | 技術科授業・高校進学対応の両立を図る |
✍️ 総括
教育現場では「整備から運用・活用へ」という転換期を迎えています。
物を配る・制度を作るだけでなく、“実際にどう活かすか” が問われる段階です。
墨田区の子どもたちが、安全に・楽しく・学びながら成長できる環境を実現するため、
引き続き現場の声を踏まえた政策提案を行ってまいります。
