私立幼稚園支援と食育推進の今後の方向性
「私立幼稚園等教育事業補助費」および「食育の推進経費」について質疑を行いました。
どちらも、子育て・教育・地域連携の柱として区民の生活に深く関わる重要なテーマです。
本記事では、実際の質疑内容と、今後の課題・展望を整理してお伝えします。
🟩 私立幼稚園等教育事業補助費について
▶ 背景と現状
令和6年度、墨田区では私立幼稚園に対する補助金が増額されました。
これは区内の幼児教育の質を高めるための前進として高く評価できます。
しかし、依然として周辺区と比較すると支援が薄い状況にあり、
結果として「支援の厚い他区の園を選ぶ区民」も少なくありません。
▶ 質疑の概要
- Q:他区との比較と今後の支援策は?
A: 周辺5区では、区独自の補助メニューを設けている例が多く、墨田区としてもそれらを参考に検討中。
私立幼稚園連合会やPTA連合会などから寄せられた意見をもとに、保護者負担軽減と教育環境の充実の両立を目指す方向で調整を進めている。 - Q:検討スケジュールは?
A: 放課後対策幼稚園のあり方調査特別委員会の提言を踏まえ、来年度予算に向けて具体的な検討を進めている。
▶ 指摘と要望
私は質疑の中で、以下の点を特に強調しました。
- 区民が安心して区内の園を選べる支援水準に
支援格差が区外流出につながる現状を改める必要がある。 - 委員会提言の早期実現
議会からの正式な要望書も提出しており、早期の制度化が求められる。 - 現場の声を反映した柔軟な支援設計
保護者だけでなく園側の運営実態を踏まえた補助体系を検討すること。
▶ 今後の方向性
区は「幼児教育の質向上」と「保護者負担の軽減」の両立を掲げ、
来年度予算に向けて制度設計を進めていく方針です。
区民の選択肢が公平に保障されるよう、議会としても引き続き提言を行ってまいります。
🟩 食育の推進経費について
▶ 背景
墨田区はこれまで、北海道芽室町との交流や「すみだ食育goodネット」を中心とした活動を通じて、
全国的にも注目される「地域に根ざした食育モデル」を築いてきました。
しかし、行政評価シートでは「官民共同で継続的に交流を進めるための連絡会設置が急務」とされており、
体制整備の遅れが課題となっています。
▶ 質疑の概要
- Q:連絡会の設置状況は?
A: すみだ食育goodネットと定期的に意見交換を実施中。
連絡会自体はまだ設立されていないが、12月上旬に芽室町を訪問し、準備会としての意見交換を実施予定。
今後は単なる交流ではなく、「官民共同の仕組み」として継続的に運営できる体制を構築したい。 - Q:次期食育推進計画の評価基準づくりは?
A: 他自治体の事例が少なく難しい課題だが、“墨田らしい食育”を目指す上で評価基準の設定は不可欠。
現在、関係会議体で議論を重ねている。 - Q:現行計画からの改善方向は?
A: 現在の食育計画を踏まえ、次期計画改定を視野に議論中。行政と民間の役割分担を整理していく。 - Q:情報発信の現状と課題は?
A: ホームページでの発信は「弱い」と認識。
今後の計画改定時には、食育の理念や事例をわかりやすく発信できる仕組みを検討する。
▶ 指摘と要望
私は、墨田区の食育活動が国内外から注目を集めている点を踏まえ、次のように要望しました。
- 連絡会の早期立ち上げと官民連携の強化
12月の芽室町訪問を実りあるものとし、継続的なネットワーク構築を。 - 食育計画の「見える化」と発信強化
ホームページ等を通じて活動内容を紹介し、区民の参加を促す。 - 「行政+民間」で進める墨田モデルの確立
行政の支援に加え、企業・学校・市民団体が連携する体制を明文化し、計画に盛り込む。
▶ 今後の展望
墨田区の食育は、JICAの研修団や他自治体からも注目されています。
「墨田らしい食育」をさらに発展させるためには、行政が方向性を明確に打ち出し、情報発信力を高めることが不可欠です。
来年度に向けて計画改定が進められる中で、評価基準の整備と、連絡会による官民連携が重要な鍵を握ります。
🟩 総括:支援と共創で「選ばれる墨田区」へ
今回の2つの質疑に共通しているのは、“制度を整えるだけでなく、現場と共に育てる姿勢” です。
私立幼稚園への支援も、食育推進の体制づくりも、区民や関係者との協働なくしては前進しません。
墨田区がこれからも「子どもを育てたい・暮らしたい」と思えるまちであるために、
議会からも継続的に提言と支援を行ってまいります。
📢 ご意見・ご感想をお寄せください
教育・食育に関する取り組みについて、皆さまの声を伺いながら、
次の政策につなげていきたいと考えています。
