DXによる窓口改革と「緑と花の学習園」再整備について
墨田区議会において、「住民基本台帳ネットワークシステム運営経費」と「緑と花の学習園・緑の救急隊運営費」に関する質疑を行いました。
どちらも区民生活に密接に関わる重要なテーマであり、行政のデジタル化と地域資源の再生という、異なる側面から“区民に寄り添う行政”を問い直す内容です。

🟩 住民基本台帳ネットワークシステムと窓口改革
標準化・共通化がもたらす「次の課題」
全国的に進められてきた「住民情報系システムの標準化・共通化」は、墨田区でも無事完了しました。
これにより自治体間の情報連携が容易になり、事務の効率化が進むことが期待されています。
しかし、標準化はあくまで「スタートライン」であり、区民にとっての利便性向上には直結していません。
質疑では、標準化後の「区民サービス向上」や「窓口業務の改革」にどうつなげるのかを問いました。
特に、区民にとって “待たせない・書かせない・来させない” 窓口をどう実現していくのかが焦点です。
質疑のポイント
- Q:標準化による区民への効果は?
A: 事務効率化には寄与しているが、区民目線での改善効果はまだ限定的。 - Q:職員負担は?
A: 一部業務で制約が生じ、負担増の声もある。課内で改善策を協議中。 - Q:現場で発生している課題は?
A: システム上の文字数制限など軽微な不具合が発生。改善をベンダーと協議中。
これらの答弁を踏まえ、私は以下の点を指摘・要望しました。
指摘と要望
- 現場負担を放置しない対応の迅速化
現場の負担は区民サービスの質に直結するため、課題を共有し改善を。 - 窓口改革を次のステージへ
「書かない窓口」「予約制窓口」「オンライン申請」などを推進し、誰もが安心して利用できる窓口へ。 - 職員研修
新システムへの対応力を高めるため、職員支援と学習機会を確保する必要がある。
今後は、「システム整備から改善へ」 の転換をどう進めるかが問われています。
DX推進は技術だけでなく、“区民の体験をどう変えるか” が最も大切です。
🟩 緑と花の学習園の再整備と千葉大学との連携
老朽化と利用者減少の現状
「緑と花の学習園」は、開園から40年以上が経過し、施設や植栽の老朽化が進んでいます。
区のデータによると、令和5年度の来園者数は8,040人(目標9,300人)、今年度は約7,000人に減少。
私は質疑の中で、利用者減少の背景と、千葉大学との協働による再整備の進捗について質問しました。
質疑のポイント
- Q:減少要因と改善策は?
A: 老朽化と認知度の低下が主因。千葉大学と施設のあり方を検討中。 - Q:再整備の進捗は?
A: 現在、調査研究を実施中。令和6年度内に方向性を示す予定。 - 指摘: 区民に親しまれる施設へ再構築が必要。
- 要望: 千葉大学と連携し、早期に再整備計画を具体化してほしい。
施設の課題と今後の方向性
行政評価では、以下の課題が明らかになっています。
- 視認性が低く、園外からの様子がわかりにくい
- 講習会スペースが狭く、緑化講習会の拡充が困難
- 樹木の競合による衰弱、事務室の老朽化
これらを改善し、「緑を学び・体験できる場」として再生することが急務です。
千葉大学の研究知見を活かし、植物学習・環境教育・市民参加を融合させた新しい拠点づくりを提案しています。
目指すべき姿:「学ぶ・集う・つながる」場所へ
緑と花の学習園の再整備は、単なる改修ではなく「環境教育の再構築」です。
私が考える方向性は次の通りです。
- 多世代が学び合う場所に
子ども向けワークショップ、高齢者の園芸ボランティアなどを通じて交流を促進。 - 大学・地域・行政の協働モデルへ
千葉大学との連携成果を展示や講座に反映。研究成果を区民と共有する場へ。
令和7年度には来園者9,300人を目指しています。
📢 今後も議会での議論を通じて、区民サービスの向上と、緑豊かな地域づくりを進めてまいります。
皆さまからのご意見・ご提案もぜひお寄せください。
