先日公開した第一弾の記事では、墨田区における民泊問題の現状と、区としての対応方針について整理しました。
👉 第一弾はこちら:「墨田区の民泊問題と、これからの方向性」
第一弾では、
- 東京都で2番目、全国で4番目に多い民泊件数
- 悪質業者の排除と、適正業者の存続支援
- 部署横断の対応体制の必要性
- 区独自条例の検討状況
といった点を中心に論じました。
今回はその続編として、最新データや旅館業の規制緩和問題を踏まえ、新たに見えてきた課題と対応策について整理します。

民泊・旅館業の現状と急増傾向
令和7年7月末時点で、墨田区の 民泊届出件数は1,750件、旅館業営業許可施設は875件 に達しました。
令和6年度末から比較すると、民泊は+119件、旅館は+122件と顕著な伸びを示しており、現在も 月平均60件ペースで増加 しています。
一方で、区民からは以下のような苦情が増えています。
- 深夜の騒音
- ゴミ出しルール違反
- 路上喫煙や喫煙マナー
- 建物の耐震性・避難経路への不安
施設の急増が、地域の日常生活と安全を脅かす状況に直結しています。
新条例の検討と課題
区では 新たな条例の制定 に向けた検討を進めており、11月議会での提案、来年4月の施行が見込まれています。
ただし、条例だけで全ての課題を解決することは困難です。
特に重要なのは以下の3点です。
- 建築基準法に適合していない建物の存在
- 災害時の避難・安全確保
- 保健、防災、建築、観光などの 複数部局の横断連携
条例の実効性を担保するためには、制度を超えた体制整備が不可欠です。
旅館業規制緩和の影響
2019年の建築基準法改正により、200㎡未満の施設については
- 耐火改修の不要化
- 用途変更時の建築確認申請の不要化
が認められました。
この結果、 形式上は旅館業に転換しているが、実態は民泊同然 という施設が増加しています。
例:
- フロント不在
- 日雇い人員による駆けつけ対応
- 名前貸し運営
こうした施設は、旅館業法本来の趣旨から逸脱しており、安全面や管理体制の不備が懸念されます。
したがって、
- 構造設備基準や現地調査の厳格化
- 実質的な管理体制の有無確認
が強く求められます。
新条例施行に向けた体制整備
新条例が施行される来年4月に向けては、以下が重要となります。
- 事業者・区民への周知(説明会、Q&A資料の作成)
- 実地調査の強化(警察官OBを活用した現地確認)
- 実効性確保策(違法施設への重点監督)
一方で、事業者からは「健全な事業者まで一律規制されるのは不公平」との声も上がっています。
そこで、
- 町会活動や地域貢献を行う健全事業者との協力体制構築
- ICT・AIを活用した遠隔管理の導入促進
など、柔軟な制度設計も必要です。
まとめ
墨田区の民泊・旅館業は、件数の増加と制度緩和により、地域生活や安全に直結する課題が顕在化しています。
今後は、
- 違法・悪質事業者の徹底排除
- 健全事業者との協力体制構築
- ICT・AIの活用による管理強化
- 区民への安心提供と観光振興の両立
を進めていく必要があります。
第一弾に続き、今後も区議会での議論を通じて、最新情報をお伝えしてまいります。
👉 第一弾記事はこちら
