子どもの事故予防地方議員連盟(コドジコ)の研修に参加をしてきました。2日目の研修は、市民交流プラザ内、特に図書・情報館の取り組みについて施設見学を含めて学びました。
札幌市図書・情報館で体感する「課題解決型」図書館の可能性
札幌市中央区の市民交流プラザ内にある「札幌市図書・情報館」を訪れました。2018年10月に開館したこの施設は、貸出機能を持たず、調査相談・情報提供に特化した全国的にも珍しい「課題解決型」図書館です。
コンセプトと役割
コンセプトは「はたらくをらくにする ~ビジネスパーソンのための課題解決型図書館~」。仕事だけでなく、働く人の暮らし全体を支える情報提供を目的としています。主な役割は次の通りです。
- 都心に集う人々に、仕事や暮らしに役立つ情報を提供。
- 札幌の魅力を来訪者や市民に発信(特に1階スペースを活用)。
- 利用者同士の交流を促す知的空間の創出。
- 経済・法律・行政など関連機関と市民活動をつなぐ拠点。

施設の特徴
- 立地:札幌市役所や商工会議所の近く、行政・経済・観光の要所に位置。札幌文化芸術劇場や交流センターに併設され、文化とビジネスの両面で交流が生まれる立地です。
- 開館時間:平日9時~21時、土日祝10時~18時。都心のビジネス利用に対応。
- 蔵書と資料:約4万冊の蔵書に加え、新聞約90紙、雑誌約500タイトル。ビジネス関連23種類のデータベースも利用可能で、北海道新聞データベースは特に人気。
- 貸出なしの理由:常に最新情報を提供するため。ビジネス資料は情報の鮮度が命という考え方です。
独自の配架と空間設計
全ての棚は司書がテーマを設定して配架。基礎知識から専門情報まで体系的に探せる工夫があります。テーマは近隣企業へのアンケートを基に設定し、定期的に見直されています。
空間は会話可能なエリアが多く、コワーキングスペースやミーティングルーム、グループ席を備えています。静かな作業を求める人には区切られた閲覧席(リーディング席)も用意。Wi-Fiや電源、プリンター、ロッカーも完備し、利便性が高いのも魅力です。
開館までの経緯と耐震性
「都心にふさわしい図書館建設に関する陳情」が採択された平成10年から構想が始まり、まちづくり戦略や再開発事業の一環として整備されました。市民や関係機関の意見を反映しながら計画を練り、平成30年に開館。開館直前の北海道胆振東部地震では、本棚の本がほとんど落ちず、高い耐震性が証明されました。
活動と連携
年間約30件のオリジナルセミナーを開催。他機関と連携した企画も多く、ビジネスや生活に役立つテーマを幅広くカバーしています。たとえば地域コミュニティFM局の取り組みを通して地域のつながりを考える講座や、起業・経営相談なども実施しています。

視察の感想
図書館は「本を借りる場所」という固定観念を超え、情報のハブとして地域や人をつなぐ場に進化していました。ビジネス支援から地域文化の発信まで、多様な役割を果たしており、課題解決型図書館が都市の活力向上に寄与する可能性を強く感じました。
このようなモデルが全国に広がれば、図書館は単なる知識の倉庫から、社会課題の解決拠点へと変わっていくでしょう。
