子どもの事故予防地方議員連盟(コドジコ)の研修に参加をしてきました。初日の2番目の研修は、保育施設の安全管理と子育て支援の取り組みについて施設見学を交えて学びました。

札幌市北区「ちあふる・きた」で学ぶ、保育施設の安全管理と地域子育て支援の最前線
札幌市北区にある保育・子育て支援センター「ちあふる・きた」を訪問しました。札幌市内の公立保育施設の安全管理体制や子育て支援事業について、現場を見ながら詳しくお話を伺いました。
安全管理体制のしくみ
札幌市では「公立保育所安全管理マニュアル」を策定しています。これは国の事故発生時対応ガイドラインに基づき、市内の全保育施設で基本部分を統一。各園が固有の避難経路や設備状況に合わせて細部を調整し、運用しています。
安全管理マニュアルに加えて、防災のしおり、緊急衛生マニュアル、食物アレルギー対応マニュアルなど、多様なルールやガイドラインが整備されています。さらに国や市から、季節ごとの安全通知(水遊び時の注意、公園での遊び方、節分の豆による誤嚥防止など)が発出され、それに沿って日々の保育が行われています。
年度初めには各園で「安全計画」を作成し、職員全員に周知徹底します。毎年新しい職員が加わるため、AEDの使用方法や救命救急講習、事故発生時の対応研修も欠かさず行われています。
日々の安全点検と工夫
施設の内外には常に安全点検が行き届いています。マニュアルには「施設内外安全点検」の項目があり、各園はヒヤリハット事例や危険箇所に応じて独自のチェックリストを作成。職員が交代で定期的に点検します。チェックリストは固定ではなく、事故や劣化の発生時に随時見直し、項目を追加していきます。
大規模な修繕が必要な場合は、応急処置を施しつつ行政手続きによる対応を待ちます。屋外活動時も、公園の固定遊具の使用方法を必ず確認し、職員が監視できる範囲で遊ぶルールを設定するなど、安全面に最大限配慮しています。
特に印象的だった安全対策
- 午睡時の安全確認:乳児は明るい部屋で5分ごとに顔色や呼吸を確認し、チェックリストに記録します。
- 水遊びの徹底管理:必ず監視専任の職員を配置し、大型プールは設置せず、水槽などで遊びます。これは、過去に2〜3cmの水深でも溺水事故があったことを受け、市全体で方針が見直された結果です。
- 誤嚥事故防止:昨年10月に市内で発生した事故を受け、即日で通知と研修を実施し、全園で食材や遊具の安全管理を再確認しました。
地域とつながる子育て支援
「父親の子育て推進事業(愛称:サパ)」では、お父さんと子どもだけで参加する日曜講座を開催し、父親同士の交流や育児スキル向上を促しています。北区独自の「パパママのための子育てハンドブック」も配布され、新生児訪問時などで手渡されます。
視察を通しての学び
今回の訪問で感じたのは、安全管理が単なるマニュアル遵守ではなく、「日常的な意識の積み重ね」で成り立っているということです。職員の皆さんは、常に子どもの視線になって施設や環境を見直し、小さな危険の芽を摘んでいました。
また、子育て支援事業を通じて保護者との信頼関係を築き、家庭と園が協力して子どもを育てる体制が整っていることも印象的でした。安全の確保と同時に、地域の子育て文化を支える拠点としての存在感を強く感じました。
少子化の進行や家庭環境の多様化の中で、こうした公立保育施設が地域に根ざし、安心とつながりを提供し続けることの重要性を改めて認識する視察となりました。
